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入居者インタビュー|定禅寺ヒルズ(仙台協立第7ビル)6階「株式会社 SKホールディングス(SKグループ)」代表取締役 齋藤 孝志さん<後編>

定禅寺通を眺める「定禅寺ヒルズ」6階にご入居いただいている「株式会社 SKホールディングス」は、古紙回収や廃棄物収集運搬事業、廃棄物管理コーディネート、古紙リサイクルポイントシステムの運営・管理等の事業を展開するSK グループ4社の経営計画推進、人事、採用、広報、サステナビリティを担当しています。SKグループ代表の齋藤孝志さん(以下:齋藤社長)は古紙回収から始まったサイコーをノウハウとアイデアで事業展開し、さまざまな共創を生み出しています。

本編では、協立ビル入居のきっかけから、齋藤社長、株式会社All Blank Inc.の稲垣耕治社長(以下:稲垣社長)、氏家により立ち上がった「株式会社 雑談会議」の取り組みと、同ビル5階のイノベーションプラットフォーム「IDOBA(イドバ)」について伺います。

 

「雑談」で生まれていく共創

ー 定禅寺ヒルズに入居いただいたきっかけを伺えますか。

コロナ禍の2020年に、SKホールディングスの構想を立てていました。しかし、この段階では社員たちは事業会社に所属しているので私一人しかいないわけです。なので、一番最初に第1ビルの一室を隠れ家として借りて、どこにも公表せずせっせと通っていました。

事業プランを練ったり、稲垣社長が形成していたフリーランスの集まるプラットフォームに足を運んだり……。今までと違うコミュニティづくりをして、勉強をしてとホールディングス構想が練り上がった時、氏家社長に事務所として相談したのは仙台駅東口の仙台協立第15ビルです。2フロアを借りて、事務所とコワーキングスペースをやろうと思っていました。

当然、コワーキングスペースを運営した経験もないので自社だけでは難しいと判断し、誰かと共に関わり合いながらつくる必要があるとわかっていました。氏家社長からは15ビルではなく、「定禅寺ヒルズ」を提案いただきました。

仙台の現状を見ていくと、より駅前中心になりつつあり、国分町や定禅寺通を盛り上げていく必要がある。定禅寺通に地元の企業がどんどん入ってくるような仕掛けにしなければいけないという話に共感しました。

 

ーそれと同時に、コワーキングスペースの実現もできたのですね。

ちょうど相談をしていた時期に、稲垣社長が1階でフリーランスコミュニティを作っていたので、あれよあれよと決まっていきました。最初は本当に「コワーキングスペースってどうやったらうまくいくのかなあ」とぼやいていただけなのに、途端に力をもらい、3人でやりましょう、2フロアでいきましょう!と。

(氏家)決定から、引越しまでもスピーディーだった記憶がありますね。

そうですね。2月に定禅寺通でやると決めて、8月には入居していましたね。IDOBAは数ヶ月遅れて11月にオープンしました。その際には、2フロアでやるためにと移動していただいた企業様もいらっしゃいましたので、周りの協力もあってこそでした。

ー 雑談を機に、スピード感を持って実現されたというのは御三方の関係性あってのことのように思います。以前から交友関係は深かったのでしょうか。

私たち3人は、もう20年来の付き合いがあります。共通の先輩がいらっしゃり、経営に関する勉強会をたくさん重ねてきました。銀行の支店長さんのお話を聞いたり、社員評価システムを勉強したり……経営としてあまり人に相談できない話を一生懸命していましたね。

もちろん、ビジネスの話以外もたくさん。そういった意味で信頼関係、僕らの中ではディープコミュニティと呼んでいますが、そのようなものは出来上がっています。普通なら、こんなに早く展開が起こると変な不安感や疑念も生まれるかと思いますが、それがないんです。僕たちが大事にしてきたコミュニティが形成されているからこそ、「やる」と言ったら「やる」んです。結構すぐに。(笑)

(氏家)齋藤社長は私たちの中でも一番若くて、ぐんぐん吸収して事業もぐんぐん成長されました。齋藤社長はよく、私たちが先に走ってくれて、こけてもらえるから自分がそうならずに済むんですといつも言っていました。(笑) けれど、実際はそうではないと思っています。私は事業の中でリニューアルをしながらやってきていて、齋藤社長はイノベーションをしながらやってきた違いではないかと思います。

 

フリーランスのプラットフォーム「IDOBA」と、イノベーションを起こしていく会社「雑談会議」

ー IDOBAでは、フリーランス向けの交流会や、コワーキングスペースとしてのオープンデー、イベントがある一方で、シェアオフィスやコワーキングスペースとしての料金形態や募集が出ていないという、少々特殊なスペースのように感じています。運営の詳細を教えていただけますか。

私たちは、あの場所を「ディープコミュニティをつくる場」と位置付けています。「井戸端会議」に由来して「IDOBA」です。
ここで仕事がしたい!という方にはもちろん契約を交わしているのですが、シェアオフィスのように作業だけする人たちが集まり、スペースを占有する場ではいけないと考えています。地域を良くしたいという人たちが集まり、雑談や共創をしていくことでイノベーションを生み出していく・生み出したいという意欲がある人たちに集っていただきたいのです。

困り事がある人に対して、解決できるフリーランスの方を紹介したり、リソースを持っている企業さんをお繋ぎしたりするハブのような役割を担っていく場所になるはずです。

ー 利用者は、施設の運営から仕事をいただきながら、場を利用していくイメージでしょうか。施設の運営はマネタイズが特殊ですね。

そうですね。IDOBAは利用者の施設利用料でマネタイズしようと思っていないんです。代わりに、共創事業により発生した報酬でマネタイズをしています。

具体的な例で言うと、弊社の人材採用を「雑談会議」に発注しています。雑談会議から、適切な人へ仕事を依頼し、報酬の一部が雑談会議の収益となりIDOBAを支えています。動きとしてイメージしやすいのは、芸能プロダクションの吉本興業さんかと思います。一人一人が直営業もする、けれど事務所からの仕事もお願いしている。その中で、管理費のようなものを手数料としていただくというイメージです。

なので厳密には「利用者」という表現も少し異なるような気がしています。同じ志を持ち、業種や企業の枠を超えて本気の雑談ができる共創者であり、パートナーです。なので実際には「発注者」と「受注者」という関係性ではあるものの、失敗を許容したり、積み重ねて共に高め合っていくような深い関係性を望んでいます。

(氏家)雑談会議自体は、そのようなプラットフォームを運営する役割と、仙台・宮城が持続可能な都市になっていくために「定禅寺通りをよくしよう」というパーパス達成のために活動しているファンコミュニティの運営も行っています。
こちらの活動は2年になり、もともとファンコミュニティではなかったんですが、ビジネスの話が中心になるとハードルが上がり継続的な参加者の獲得に課題が生まれました。なので「定禅寺エリアをなんとかしようよ」というテーマで参加者とゆるく議論をしながら、ではそれを継続するためにどのようにビジネスに落とし込んでいこうか?という投げかけに変えて場を運営しています。

 

ー IDOBAや、雑談会議としてファンコミュニティの運営を通して課題に感じている部分はありますか?

IDOBAは関わってくれるフリーランスや学生がもっと増えてほしい、仲間が欲しいと思っています。本気の雑談ができる仲間がもっともっと欲しい。様々な人がいることで、常に循環して新しい視点や考えに触れることができるでしょうから。プラットフォームとしてはさまざまなことをやっているので、汎用性は高いのではないかと感じています。
ファンミーティングは、まちづくりの向かう場所と、共創パートナーとしてそれをビジネスでやっていきましょうというパーパスは一緒ですが、やっていることが違うというジレンマがあります。この部分がピッタリと合うようになれば、飲食店でもそのほかの事業でも達成できると思うんです。
現在も協賛として地域の飲食店さんにご協力いただいていますが、ファンミーティングの際に、定禅寺通りや仙台を好きだという飲食店さんが月替わりで参加してくれたり、コラボとして食事やお酒を楽しみながらコミュニケーションが取れたらという理想があります。街に賑わいをつくるには、お店が不可欠だと思うので、ミーティングを機にお店に伺うようになったり、新店舗を人気店に育て上げたりできたらいいですよね。

(氏家)正直、「課題」という課題はないですね。ですが、各社で持っているリソースのシェアリングなどはやりたいですね。今はまだ、数社+フリーランスという状況なので、まだまだ足りないと感じます。

そう、間違ってはいないんです。マネタイズを優先していないので、ゆるやかに、ゴールに向かっているという状態でしょうか。事業としては、本当はマネタイズをしなければいけないから、嘘だとしても一度形を作り表向きは完成をさせてから、本来の完成に向けて少しずつ変容させていくのが適切なのかもしれません。ですが私たちは今、粘土でコツコツと形を変えながら作り上げているような……サグラダ・ファミリアなのかもしれません。大丈夫、ゆっくりでいいから、みたいな。

(氏家)サグラダ・ファミリアですね。(笑)

都市には、それぞれの都市の発展の仕方があるはずです。私たちは今、きっと難しいことに挑戦をし続けています。ただネチャネチャと粘土で遊んでいるのではなく、ちゃんとしたものを作っている。だからこそ、座組は大切で、我慢のしどきなんだと思います。完成に向けて、イノベーションを起こしながら歩んでいきたいですね。

 

ありがとうございました。本インタビューを見て、雑談会議のファンミーティングにご興味を持たれた方は以下のURLからイベントをご覧いただけます。

 

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<<インタビュー前編はこちら>>

 

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