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入居者インタビュー|定禅寺ヒルズ(仙台協立第7ビル)6階「株式会社 SKホールディングス(SKグループ)」代表取締役 齋藤 孝志さん<前編>

定禅寺通を眺める「定禅寺ヒルズ」6階にご入居いただいている「株式会社 SKホールディングス」は、古紙回収や廃棄物収集運搬事業、廃棄物管理コーディネート、古紙リサイクルポイントシステムの運営・管理等の事業を展開するSK グループ4社の経営計画推進、人事、採用、広報、サステナビリティを担当しています。SKグループ代表の齋藤孝志さん(以下:齋藤社長)は古紙回収から始まったサイコーをノウハウとアイデアで事業展開し、さまざまな共創を生み出しています。同ビル5階のイノベーションプラットフォームIDOBAも齋藤社長の提案により、共創が生まれ立ち上がったものです。

新規事業立ち上げに関するエピソードを中心に、地域課題に対しての取り組み等を伺いました。

 

ノウハウとアイデアでイノベーションを起こす

ー 会社の歴史や事業内容について教えてください。

株式会社サイコーの創業は1973年12月です。父が脱サラをしてトラック一台で始めた”ちり紙交換”がスタートでした。サラリーマン時代の人脈から、企業から出るダンボールを中心に回収していましたが、次第に発泡スチロールやビン、缶、家電などのニーズにも対応し、古紙回収と産業廃棄物や一般廃棄物の収集運搬・処理の事業へ展開しました。

その後、自社で処理場を構えたり、回収・処理のノウハウを活かした事業もグループ会社を通じて担っています。

 

ー「回収・処理のノウハウを活かした事業」というのは、どのような事業なのでしょうか。

「廃棄物管理コーディネート」という事業になります。全国各地の企業様のニーズに合わせて適切な処理業者を比較検討し、発注代行をするという内容です。

廃棄物というのは、適切に処理をされなければ法律違反となり罰則の対象となります。処理業者に出して終了ではなく、その廃棄物が不法投棄や不適切な処理をされていないか確認する義務が企業にはあります。全国展開しているお店では、各自治体ごとに条例が異なるため一つひとつ確認し、適切に業者を見極める必要があるのです。

サイコーは、適切な処理業者の選定や、価格の適正を判断できるノウハウを持っているので、処理に関する届出の期限切れが起こっていないか、最後まで適切な処理が実施されたかなどを企業に変わり管理を行うことができるのです。

 

ー 新たな事業として踏み出したきっかけは何だったのでしょうか。

収集運搬・処理事業の業績が伸びた結果、お客様から「次の店舗もサイコーさんにお願いしたい」とお声がけをいただくフェーズがやってきました。しかしながら、各自治体によって必要な許可が異なることや、隣県などの自社で回収できるエリアを離れる場所からのご依頼も増え、お応えするのが難しい状況にもなっていました。

その中で、新店舗オープンのたびに営業をかけていた企業の担当者様から言われた一言がきっかけです。

「サイコーしかできない提案とかないの?」

いやいや、そんなのないですよと思いました。(笑)電話一本でいつでも行きますとか、365日営業していますとか、すでに他社がやっているので。

 

しかし、私たちは「処理業者をどうやって選んだらいいか」や「価格が適正か」を判断でき、法律の知識も持っています。「サイコーしかできない提案とかないの?」という言葉が後から入ってきて、いわゆる各企業の廃棄物担当者がやるべき業務の代行を始めました。

「廃棄物管理コーディネート」と「再生資源卸売業」を行う会社として、2009年に「株式会社SKトレーディング」が誕生しました。廃棄物を運ぶ側から、出す側になるというイノベーションです。

 

ー 〇〇代行というと、現代では耳馴染みのある言葉ですね。サイコーとしてではなく、新たに会社を立ち上げたのはどのような理由があるのでしょうか。

「廃棄物管理コーディネート」の事業を始めた頃、周囲からは「絶対無理だ」と言われました。業者の発注をサポートするビジネスモデルは実際にありましたが、それを廃棄物業者がやるという事例はなかったので「自社の利益を最優先して、自社にばかり発注をするだろう」と言われたのです。なので、全く別の会社として、あくまでご依頼いただいた企業様の視点で、マッチする業者をフラットに選定することを重要視しています。そうでなければ、サイコーの営業会社になってしまいますので。

 

(氏家)サイコーさんでは、スーパーやショッピングモールの駐車場で見かけるリサイクルステーションの運営もされています。回収しに行くのではなく、持ってきてもらうというのもイノベーションのように感じます。こちらのサービスが展開したきっかけはなんだったのでしょうか?

私たちが一般の方から古紙回収をできる機会は、町内会や子供会のような地域単位で実施される「資源回収」「古紙回収」でした。近年その依頼が減っていると感じたのがきっかけです。「株式会社ステップナイン」では、スーパーの駐車場の一角にリサイクルステーションを設置し、段ボールや古紙の対価として「リサイクルポイント」を付与するサービスを展開しています。

提供:SKホールディングス

お買い物のついでにリサイクルができる、さらにポイントが割引券や電子マネーとしてそのスーパーで利用できるとなると、多数ある店舗の中から選ばれる理由にもなり、売り上げアップにも貢献できます。

事業としては、サイコー、SKトレーディング、ステップナインの3本柱で行っています。「株式会社SKホールディングス」はグループ4社の中心として経営計画や人事、採用、広報、新規事業のインキュベーターとして役割を担っています。

 

若手社員を企画人材に育成していく

ー SKホールディングスが新規事業のインキュベーターとしての役割も担うということは、今後も更なる新規事業が誕生していくのですね。

そのようになればいいなと思っています。今後も事業を伸ばしていこうと思った時に、廃棄物の持つ閉塞感の払拭や、環境問題に対しての行動など、社会から求められているものよりも、中小企業として地域をなんとかしていく必要があると思ったんです。もう少し、環境以外のビジネスをやりたいと社内の幹部を集めて新規事業プロジェクトに取り組んだ時期もありました。

しかし、皆日々自分の業務を回すことで精一杯で、このままでは新規事業は生まれないと感じたんです。ホールディングスを立ち上げたと同時に経営企画室を発足しました。

経営企画室には、若手社員が所属しており「新卒採用の社員を企画人材に育てながら新規事業を計画させる」というポリシーがあります。そのため、社内の幹部はこの部署に配属されません。3年から5年くらいの間に、少しずつプロジェクトを回せる人材が生まれて、10年後くらいに1つか2つ、新たな事業が生まれていけばと考えています。

ー 現在の事業だけではなく、新たな事業へとどんどん歩みを進める理由や、お考えをお聞かせください。

サイコーの古紙回収・廃棄物回収の事業を見ていくと、紙の業界は創業100うん年の企業が多くある中で参入しており、廃棄物の業界も同じく、大きな企業さんが多くいるので、弊社は圧倒的に経済力で劣ってしまいます。どちらかの業界に絞ったとしても負けてしまう。経済力がないのでハード面に投資ができない。だからこそ、アイデアを出して勝っていく必要があります。アイデアにはお金がかかりませんから。

 

雑談の中から見つかる課題と化学反応

提供:SKホールディングス

SKグループでは、事業のほかに、学生を対象とした合同インターンシップ「JIMOTOコラボインターン」、地域の未来を考える「仙台vision」、障がい者支援施設との共創事業である「はっぴーすてっぷねっとわーく(以下:はぴすて)」などのプロジェクトも実施しています。

ープロジェクトを拝見すると、対象者が学生、企業、障がい者と大きく異なる印象を受けました。プロジェクトが立ち上がったきっかけをお伺いできますか。

バックグラウンドには青年会議所での活動が大きく影響していると思います。2011年に理事長をやらせていただいたのですが、地域における中小企業の役割や、次世代へのバトンタッチをどのようにしていくかを学び、考える機会となりました。

自分たちでやれることは小さいかもしれないけれど、地域に対してやれることをやりたい。地元コラボインターンシップは、学生がどんどん県外都市に出ていってしまう部分を問題視して発足したものです。飲食事業を手がける「株式会社ハミングバード・インターナショナル」「株式会社ユーメディア」と共に、地元にもいい会社があるよと自社以外にもPRできる場として始めました。現在では参加企業も増えていく中で、ただ採用人材を探していたり、離職率が高い企業ではなく、私たちと共に地域を盛り上げていけるような方々と一緒にプロジェクトを継続しています。

提供:SKホールディングス

「はぴすて」は当時、障がい者雇用割合が宮城県は全国ワーストだという現状を知り、弊社であれば「ペットボトルのキャップを外して欲しい」とか「この箱を開けてください」という軽作業が多いからと施設に対し声をかけ始めました。

例えば、ペットボトル飲料の製品廃棄は全て焼却するのですが、段ボールを開けて、ペットボトルのキャップを外して中身を出すと全てリサイクルができるようになります。廃棄される袋入りのパンも、袋から出せば豚などの飼料として活用できます。ですが、これを廃棄物処理業者が行うことはできません。そこで、施設の皆さんに協力をしていただいたんです。しかし、残念なことに別の県で処理された食品が小売店へ流出していたという事例が発覚以降、難しくなってしまいました。

それぞれのプロジェクトを個別に見ると、関連性がないように思えるかもしれませんが、頭の中では地域を盛り上げたい、なんとかしたいという軸があります。

 

どの事業も、地域の課題に目を向けた取り組みなのですね。

新たな事業への展開を進める齋藤社長。仙台協立ビルへは「社員へも、誰へも知らせていない隠れ家」としてご入居いただいたそうです。インタビュー後編では、隠れ家から生み出された構想と、齋藤社長、株式会社All Blank Inc.の稲垣耕治社長(以下:稲垣社長)、弊社代表 氏家により立ち上がった「株式会社 雑談会議」の取り組みとイノベーションプラットフォーム「IDOBA(イドバ)」について伺いました。

 

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企業概要

株式会社SKホールディングス(SKグループ)

〒980-0803 宮城県仙台市青葉区国分町三丁目3番1号 定禅寺ヒルズ6階
TEL. 022-211-4877
FAX. 022-211-4878

WEB:https://sk-g.co.jp/

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