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入居者インタビュー|S.FRONT 2階「オレンジ薬局」代表取締役 今井亮さん

仙台協立第15ビル「S.FRONT(エス フロント)」は、仙台駅直結の利便性が魅力。当初、全室空室からスタートしたビルを「メディカルビルのように育てていきたい」と考え、お力添えをいただいたのが「オレンジ薬局」を運営する「いまいメディカルグループ」代表取締役の今井亮さんです。

単なる管理会社と入居者という関係性ではなく、協創パートナーのような関係でビルの発展に関わっていただいています。仙台市を中心に展開しているオレンジ薬局の経営マインドや、仙台協立との関わり方についてお話を伺いました。

 

「教育機関」に相応しい利便性

ー「S.FRONT」入居のきっかけをお伺いできますか。

一番大きなポイントは仙台駅直結という好立地です。
弊社は創業15年目となり、新卒の採用や育成にも力を入れるようになりました。最初こそ、中途採用に比重が傾いていたのですが、より企業理念に合致した考え方のできる人材を育成していこうと舵を切りました。会社の拡大や、私たちの行動、考え、理念のようなものが認知されるようになり、毎年新卒採用も増えていきました。

今までは、各店舗で教育を行っていましたが、どこか一店舗で均一な基礎教育を施した後に各店舗のOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で、さらに成長をしていってほしいと考えました。昨今の新卒社員は男女ともに車を所持していない人の割合が多いので、電車、バス、地下鉄を網羅している利便性は重要でした。

仙台は、仙台駅を中心に交通網が放射状に伸びているのでアクセスもしやすいと考えた次第です。
また、S.FRONTは、薬局として機能させるには少々広いのですが、教育機関の機能を持たせるならばちょうどいいサイズ感でした。

 

ー 採用活動について、注力している部分はございますか? 

当社は現在、薬剤師は100名以上、事務職も100名弱。約200名の企業です。

薬剤師は6年制の学科なので、実際に入社してくるのは内定を出してから2年後、3年後とタイムラグが発生します。採用活動時点で「数年後にどんな成長を遂げて入社してくれるのか」期待と楽しみでいっぱいです。一方で、数年後の出店状況や離職率も考慮しながら採用を行う必要があり、明確な採用人数を決めにくいですね。薬剤師に関しては、内定を出しても国家試験に合格しなければ一緒に働けません。毎年合格率も加味した上で内定を出しています。しかしながら、残念なことに東北にある大学は、国家試験の合格率が関東に比べると比較的低い状況です。入社時にバランスが取れるよう先を見通して採用活動を行っています。

ー入社志願者の方は東北の方が多いのでしょうか。

そうですね。仙台近郊に店舗が集中している点から、Uターンを希望する人や、東北5県から仙台近郊へ進学で出てきてそのまま就職を希望する人が多いです。最近は北関東からの志願者も増えています。

ー学生さんたちにも”魅力的な企業”として映っているんですね。経営方針や企業理念について教えてください。

弊社がスタッフに対して最終的に掲げているゴールは「企業理念を体現できる医療人になる」ことです。企業理念は、私が独立する前に一番最初に時間をかけて考えました。

【1】私たちは高い志を持ち、地域社会の皆さまから必要とされる企業をめざします
【2】私たちは愛情と誠意を第一とし、患者さんの健康と生活をサポートします
【3】私たちは積極性と思いやりを忘れずに、やりがいのある職場をつくります

「こういう会社をつくりたい」という思いから、理念として作り上げ、スタッフに主知を繰り返しました。創業者の理念や思いを伝え、浸透させていくのは予想以上に難しいものがありました。

そこで次に、企業理念を実現するための行動指針を作りました。当時のマネージャー職以上のスタッフ全員に参加してもらい、企業理念の1つ1つを分解していきます。その分解したものを、実際に実現するためには、どのような行動を起こせばいいのか。その部分を一緒に作り上げました。

ー 具体的には、どのようなワークをおこなったのでしょうか。

例えば理念を「我々は、皆さんに医療を提供する」にしたとしたら、「皆さん」の範囲を分解して考えていきます。皆さんの概念とは何か?と。

患者さんだけではなく、隣の診療所のドクター、そこに勤めるスタッフさん、そこに薬を配達してくれる人、情報提供してくれるメーカーさん……。弊社に関わる人やその家族も幸せになったらいいよね、という部分まで掘り下げて行きました。私はなるべく口出しをせずに幹部陣の意見を聞きました。企業理念に対するアプローチの方法や、行動シーンをイメージすることが大切だと思います。自分たちで考えて作ったものなので、確実に浸透へ寄与したなと感じました。

 

ー患者さんのことだけではなく、スタッフ、関わる人までを熱く、深くお考えになっているんですね。

自分で考えたことですが、自分でも、すぐに実行できたわけではないんです。経営と医療って相反するところがあります。なので、弊社は「企業」としての経営の視点と、「医療」としてのホスピタリティの視点。2軸で常に考えていく必要があると考えています。

 

ー相反する部分というのは、どのようなものでしょうか。

企業は、成功報酬を得る必要があります。それが従業員みんなの給料になるので。けれど、医療はそれだけではない業種であり、お金がない患者さんが目の前で倒れていた時に「ホスピタリティマインド」を持って救わなくてはいけない。
「お金がないなら助けられません」は企業理念に反します。けれど、慈愛の心を持ち、すべての人に無償で手を差し伸べても経営が傾いてしまいます。そのバランスを保ちながら進めています。

ー 医療の道を志す学生の皆さんは、このような視点についても事前に学んでくるのでしょうか。

事前に学んでくるケースもありますが、ほとんどの方がすでに備わっていると思います。実際に、弊社には「患者さんを助けたい!」という熱い思いを持った人たちがたくさんきてくれています。薬局だけではなく、看護師さんも、お医者さんも多いと思います。

しかしながら、「診療報酬の請求はしっかりする。それが我々のお給料の原資である」ことを理解している人は意外と少ない。なぜなら、医療と報酬に対してバランスが保たれた適正な考えかたを教える人があまりいないからです。

一歩外を見てみると、30代、40代で働き盛りのドクターたちが家族と過ごす時間もないまま奮闘しているケースをよく見かけます。ホスピタリティマインドによって、「お父さんは素晴らしい仕事をしているから、家族の時間は我慢しようね。」となっています。これらを改善するために昨今では医療の働き方改革が推進され、適正労働時間の確保とデジタル化の普及が進みはじめました。

 

ー デジタル化ですか。オレンジ薬局さんでも取り入れているものはありますか?

薬に関連したところでは、計量など監査の部分で導入しています。機械は最終的な責任を負えないので、必ず薬剤師の監査を経た上で、機械と人のダブルチェックを受けた状態にしています。

また、自動精算機も数店舗ごとに機種違いを導入して試験運用し、最も薬局に適した自動精算機を選定できました。今後、全店舗に設置していく予定です。

また、「LINE(ライン)」で利用できる「あなたの調剤薬局」というシステムを導入し、患者さんにも活用いただいています。薬を処方した数日後に「その後調子はいかがですか?」とメッセージを自動配信するようになっています。何か不明点がある患者さんからは返信がきます。意外と返信が来るんですよ。

「お子様が騒いでしまって、バスの時間もあるから質問できなかった」とか、「2年前ぐらいの解熱剤が出てきたんですけど、飲ませて大丈夫ですか」とか。質問には薬剤師が個別に対応しています。

薬局が混んでいると後ろの人の顔色をうかがって質問ができない人もいらっしゃいますし、スタッフ側も電話だと手が止まって患者さんを待たせてしまう。そういう部分が解消されました。

スタッフは空いた時間で対応ができ、受け取った側はトーク画面がメモとして残ります。喜んでくださる声が多く、「顧客満足度と従業員満足度がリンクしている」とLINEのフォローシステムを導入してからは特に実感しています。

 

 

S.FRONTの強みと、医療モール実現に向けた可能性

ー 今井社長には、S.FRONTのリーシング(テナント誘致)にもお力添えをいただきました。「オレンジ薬局」としては、”立地”や”教育機関として適切な広さ”を入居理由に挙げていただきましたが、他にS.FRONTの強みと取れる部分はございますか?

仙台駅直結というアクセスの良さに加えて、S.FRONTは宿泊施設が隣接しています。仙台市内は「無床クリニック」での開業が主流になりつつありますので、アクセスの良さや、宿泊施設が近いというところは強みになると思います。

2〜5階をメディカルビルとして成立しているため、利用いただく患者さんの立場でも「かかりつけ医」が1個所に集まっているのは利便性が高いのではないでしょうか。

ーS.FRONT入居までを振り返り、今後新たに「メディカルビル」や「医療モール」のような場を作るとなったら「もっとこうしたい」というご要望や、お考えはありますか?

そうですね。シビアな部分ですが、私が非常に信頼しているお医者様を誘致する場合、「開業をしたい」と申し出てから実際に開業するまで2年近くかかる場合があります。入居までの期間、テナントを確保しておくためのサポートは必要かと思います。

あとは、今回はリノベーションが完了してから貸出しでしたが、建設途中や新築段階から関わることができればもっとよかったかなと思う部分もあります。例えば、配管の位置とか、電気の位置とか……。私が新築から関わる場合は電気をどれくらい使うか、CTやMRIを置くならキュービクル(高圧受変電設備)が必要か、それを置く場所はどこか……なんて部分も考えます。それにかかる経費は共益費なのか、家賃なのかという相談も必要になってきますが、そのひと手間があるだけで開業希望のドクターが入居しやすい環境になると思います。

ーハイブリッドな視点を持つ今井社長には、引き続きお力添えをいただけますと心強いです。 本日はありがとうございました。

 

店舗情報

住所:〒983-0864 宮城県仙台市宮城野区名掛丁201-2 S.FRONT 2階
電話:022-766-9937
FAX:022-766-9938

公式WEBサイト:オレンジ薬局WEBサイト

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