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入居者インタビュー|仙台協立第3ビル「小料理 松なが」女将・松永節子さん

集合写真(代表取締役・氏家正裕、女将・松永節子さん)

仙台協立第3ビルの「小料理 松なが」は、創業44年。ビルの完成当初からご入居いただき、非常に長いお付き合いが続いています。 今回は、入居者インタビューのトップバッターとして、女将の松永節子さんにお店についてお話を伺いました。

(写真左:代表取締役・氏家正裕|右:女将・松永節子さん)

「普通」であることの実直さ

店舗入口

ーお店の歴史をお伺いできますでしょうか。

昭和55年、オープンして44年を迎えました。バブル前の、どこもかしこも忙しかった時代です。契約をしたのは、氏家社長のお祖父様ですからね。社長もまだ生まれてなかったのでは? 移転もせず、仙台協立さん一筋で44年ですよ。(笑)

26歳の時に郡山から仙台に移り、当時はバーに勤めていました。

お客様の中に、このビルの建設に関わっている業者の方がいらしたんです。お話を聞いて、オーナーを紹介していただきました。スケルトン(※1)からのスタートでお金もずいぶんかかったけれど、バーよりも、こういうところが私に合っているでしょう?

(氏家)昭和55年ですと、私は9歳でした。長い期間ありがとうございます!

 

カツオの刺身

ーお料理へのこだわりや、松ながさんの中で守り続けていることなどはございますか。

毎日自分の足で仕入れをしています。素材が良くなければダメなので、魚は長くお世話になっている腕の確かな魚屋さんで仕入れます。

定番メニューのほかには、季節を感じられる食材をその時々でお出ししています。
けれど、どれも私にとっては普通のことです。

 

ー長年お店を経営していて、特に印象に残っているエピソードや、お客様との思い出を教えてください。

特別な思い出はないですよ。 毎日、普通のことをしていますから。(笑)

でも、そうですねぇ……。今夜は偶然、長く通ってくださっているお客様がいらっしゃいますね。もう35年でしょうか。
しっかりお家賃を払えているのは、通い続けてくださるお客様がいるからですね。

 

(氏家)それは、大変ありがとうございます。
35年ですか……。通っていただけることもすごいことですが、35年ともなると、通いたくてもお店がなくなってしまうこともあるじゃないですか。素晴らしいことですね。

 

ーSNSはもちろん、WEBサイトや口コミサイトへの掲載もなく「知る人ぞ知る」雰囲気がありますが、お客様はどのようなきっかけで来店する方が多いですか?

私は依然としてガラケーを使っていますから、SNSとは無縁ですね。
口コミサイトの掲載も、まれにお声がけをいただくけれどお断りをしています。なので、ふらっと偶然入店される方はほとんど居ません。

近隣にお勤めの方や、どなたかに連れられてということが多いでしょう。出張の時にお立ち寄りいただく、かつての常連さんも多いですよ。

あまり新しいお客様へ間口を広げてしまっては、今通っていただいているお客様の席を確保しにくくなってしまいます。それは困ってしまうので、このスタイルで続けていきます。

 

国分町イメージ写真

ー国分町は繁華街として歴史とトレンドが入り混ざるエリアだと思うのですが、長年国分町でお店を営んできて感じる変化はございますか。

あまり感じることはないですよ。普通、普通にやっているものですから。

バブル崩壊も、東日本大震災も、コロナウイルスも乗り越えてやってきました。大変なのは、経営をする中で「普通」のことなんです。

東日本大震災の時は1ヶ月ガスが通らなかったし、コロナ禍は国分町に限らず全国で飲食店の営業に制限がかかりました。思うような営業ができなかったけれど、それは私だけではなく、周りの飲食店も、通っていただくお客様も同じ苦労だったから乗り越えられたんです。

 

カウンター・氏家社長

ー氏家社長の、松ながでのエピソードを教えてください。

25年ほど前でしょうか……。その頃は請求書を持参したり、家賃をいただいたり各入居者様のもとへ伺う日がありました。
全て回り終えて向かうのは松ながさん。ここで食事をするのがルーティンでした。以前は、板前さんもいらっしゃったんです。

板前さんが不在になるから閉店しますというお店が多い中、女将さんが腕を振るうようになって一層美味しくなったと感じますね。あれから20数年でしょうか……ずいぶん経ちましたね。

(女将)板前さんが居なくなっても、自分でやるの。やる気ですよ、やる気!(笑)

ー最後に、今後のお店の展望をお聞かせください。その実現に向けて仙台協立がサポートできそうなことはございますか。

現状維持ですよ。(笑)
ずっと普通を続けていくんです。いいお客様に恵まれていますから、安売りはせずに、きてくださった人にしっかり還元をしていきます。

仙台協立さんともこのまま共にお仕事をしていきますので、お願いします。

 

「小料理 松なが」の良さが引き立つ、丁寧なひと皿

いかにんじん

店内の黒板には、松永さん自ら仕入れる海鮮を中心に、旬の食材を利用したメニューが並びます。ポテトサラダや、福島県の郷土料理いかにんじんも人気のメニュー。

家庭的でありながら、丁寧な下ごしらえによって完成する心温まるひと皿です。

「お手製の漬け汁で、めんつゆとかは使わずにつくります。にんじんもスライサーとかでシャッシャッとやる人がいるでしょう。そうじゃなくて、少し太めに不揃いに切ると食感が良くなっていい塩梅になるんです。これが本当のいかにんじん。」

にんじんのポリポリした歯応えと、噛めば噛むほどにジュワッと旨味が溢れ出るスルメイカ。

あまじょっぱい漬け汁は、郷土料理として白ごはんのお供になるのも納得です。
鼻を抜けるにんじんの甘みが味の深みとなって、お酒も進みそう。

ポテトサラダ

お店の味が出るからこそ、ついつい注文してしまうポテトサラダ。
ふわっとした口当たりに、シャキシャキしたタマネギやパリパリのキュウリと、食感がよく家庭的なのに、自分では出せないおいしさです。

「おいしいでしょう。調味料は塩コショウとマヨネーズだけ。ジャガイモ、にんじん、ハム、キュウリ、タマネギ、それぞれ食材ごとに下ごしらえをしてつくるから、しっかり食感や味が立つんです。本当は手間がかかる料理なんですよ。」

「手間がかかるといえば、お刺身のツマも既製品や機械に頼らず包丁で切っていますよ。だから残さず食べていただけるとうれしいですね。」

ツマに限らず、ニンニクやショウガなどの薬味は注文ごとにおろしたてを提供。

酢味噌は砂糖の甘みを抑えて、キュッとレモンを絞って隠し味に。牡蠣や白子に合わせるポン酢も自家製と、至る所に手間をかけて日々お客様をお迎えしています。

「お漬物もおいしいんだから。」と今にも弾けそうなハリと、綺麗な青色の小茄子が登場。
松永さんの太鼓判が押された素晴らしい見た目に手が伸びてしまいます。

・・・
・・

松永さんの「普通」には多くの手間がかかっているのですが、あまり言葉に表さない部分が「小料理 松なが」らしさだと感じます。

今後も仙台協立第3ビルでの歴史を築いていただきたいと思います。

 

仙台協立第3ビル

店舗情報

小料理 松なが

〒980-0803  宮城県仙台市青葉区国分町2-12-19
営業時間:17:30〜0:00

(※1)スケルトン:建物の壁、柱、天井のなどの構造体のみの状態

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