入居者インタビュー|仙台協立第一ビル 株式会社エニバ 代表取締役CEO 山崎泰晴さん
仙台協立ビルのインフォメーションや、シェアオフィス「COMPASS」として機能する仙台協立第一ビルの2階にオフィスを構える「株式会社エニバ」。
YouTubeやTikTokなどのSNS上では「東北エニバワークス」の活動名で総登録者11万人以上と、コンテンツを認知している方も多いのではないでしょうか。
事業内容は、高専塾や韓国語塾などの教育事業、EC事業、人材事業などの事業を、強みであるWEBマーケティングと、新規事業やM&A(起業の合併や買収)によって展開しています。多角的な事業展開の根底にあるのは、代表取締役CEO 山崎泰晴さんの「東北に魅力的な会社を創る」という思いです。山崎社長に起業を志したきっかけや、仙台協立ビルの活用例などを伺いました。
「地方をリードする会社を創る」
ー さっそくですが、事業内容について教えてください。
現在は大きく3つの領域で事業を展開しています。「教育事業」「EC事業」「人材事業」です。いずれの事業にも共通しているのが、WEBマーケティングの強みを活かし「地方から日本全国、世界に勝てる事業」を展開している点です。
教育分野では高専塾と韓国語スクールをオンラインで運営しています。特に高専塾は、日本で唯一の“高等専門学校特化型オンライン塾”として、全国57校すべてを対象に入試対策や現役生向けの授業を提供しています。さらに、基礎科目授業の映像化や受講管理システムの構築にも取り組んでおり、今後は学校カリキュラムへの導入も目指しています。
EC事業では、韓国スキンケアブランドの日本総代理店として活動中です。韓国最大のクラウドファンディングサイトで37,965%を達成した注目度の高いブランドです。弊社独自の視点で厳選した商品を輸出入するセレクトショップも運営しています。
人材事業はSNSを活用した「東北特化型の仕事情報の発信」を行なっています。YouTubeやTikTokなど総フォロワーは11万人以上。首都圏から「東北に戻りたい」という転職検討者へも届きやすいSNSコンテンツを活用しながら、地方の人材課題の解決に貢献しています。
ー(氏家)「地方でも日本や世界に勝てる事業」は、とても印象的なワードですね。どのような想いや経験がきっかけになっていますか。
原点は東日本大震災です。もともと安定志向型な私は、将来、地元就職をし普通にお給料をもらって生活をしていくのだと思っていました。中学生で被災し、避難所生活や、地元を離れての生活を送った経験がターニングポイントだと思います。
中学卒業後の進路選択では、津波に流されたたくさんの家を建て直そうと建築科を志望しました。しかし担任から「学校を卒業する頃には建ってるよ」ともっともな指摘を受けました。原発の何かに携われるかもと高専の電気科へ進学しましたが、学ぶうちに「誰でもできることなのではないか」と気付きました。当時の恩師にも、自分にしかできないことを見つけてみてはと言われていたこともあり、一体、自分の力では何ができるのだろうかと考えながら、起業を志しました。
改めて自分ができることを考えると、震災関連のことではないとわかりました。では、自分にできることはなんだろうか……。
「過疎化」が根深い問題だと感じました。実際、地元の友人たちの多くが「いい会社がないから」と関東に就職していきました。でも、求人はたくさん出ている。「いい会社がない」とは、働きたくなる魅力ある会社や、生活できる待遇がないという意味だと気がついたんです。地域差がない魅力的な会社を作りたい、雇用をいっぱいできる会社を作りたいと起業への気持ちが大きくなりました。
起業と苦節、WEBマーケティングとの出会い
ー(氏家)学生時代の専攻内容とWEBマーケティングは、専門性が異なるかと思うのですが起業時からWEBマーケティングを強みとしていたのでしょうか。
起業当初はSNSサービスを運用していました。当時はInstagram全盛期で「Instagramを超えるSNSを作ろう」とビジネスコンテストに応募し、いきなり優勝しちゃいました。勢いで東京に出て起業したものの、知識も準備も不十分だったため、たった3ヶ月で資金が尽きてしまいました。一度立ち止まり、「ビジネスを知る」ことの必要性を痛感し東京大学発のAIベンチャーで働くことにしました。
立場あるポジションを任せてもらえるようになる中でWEBマーケティングに出会い、その効果に衝撃を受けました。半年で売上が5倍になったんです。これなら東北でも戦えると確信し、再び東北に戻って復学。23歳でWEBマーケティングの受託から再スタートを切りました。
ー(氏家)一度安定したポジションを手に入れてから改めて苦節のあった起業の道へ戻ってくるには、相当な勇気が必要だったのではないでしょうか?
「地方を良くしたい」という思いが軸にあるので、それに沿っていれば事業内容や行動の形は問いません。プライドではなく、目的が大事だと思っています。
震災を通して「人がいない街の風景」が今でも自分の中に映像として残っています。配給の手伝いやイベント開催など、避難所での経験が地元や地域に対する思いの蓄積になりました。「ここに住めなくなる」「この街に人がいなくなる」という光景が私は映像として記憶に残っているからこそ、東北に根付いた企業であることにこだわっています。
同ビル「COMPASS」の利活用
仙台協立のコンセプトの中には「小さく借りて、大きく使う」というものがあります。ご契約いただいているオフィスやお部屋以外にも、必要に応じてワークスペースや会議室、パーティールームが利用できるというものです。
ー エニバさんは「COMPASS」や貸会議室が同ビル内にありますが、活用いただくことはありますか?
1階のコンパスは、メンバーがよく使っています。2〜3時間利用しているという声を多く受けますが、中にはフリードリンクやお菓子のサービスを楽しみにしているというメンバーもいます。
オフィスから場所を変えて気分転換ができるという点では、過去に社内勉強会で「集中力を持続する方法」として場所を変えたり、天井が高い場所で作業するといいと情報をシェアしたメンバーがいたことで、COMPASSを手軽に利用する機会になったかと思います。
ー(氏家)お打ち合わせの場としてだけではなく、日常的に作業スペースとして活用いただき光栄です。勉強会はどのようなことをしているのでしょう。
社員1人1人が1週間ごとに持ち回りで業務に活きる勉強したことを発表する場を設けています。現在の社員数では、3ヶ月に1度自分の番がくるかなという程度でしょうか。業務をしている中で、全く学びがない3ヶ月は存在しません。最近では社内全体でAIについての興味関心が高まっていますが、業務に活用できることであればジャンルを問わず情報を共有し合い、学びの場にしています。
ーまだまだご利用いただいたことのないサービスもあるかと思いますが、今後やってみたいことや、仙台協立としてサポートができそうなことがあれば、ぜひお聞かせください。
現在、弊社のメンバーの半分はSNSを経由して入社しています。今後ますます採用をしていきたいと考えていますし、起業当初から理想としている「魅力的な会社」「働きたいと思う会社」というのは、堅苦しい採用説明会の場ではアピールしきれないと思っています。
月に1度、食事やお菓子を囲みながら社員とラフに話し交流できる場が作れたらいいなと。人は2年に1度転職を検討するというデータがあるので、2年以上続けたら、きっと毎月1人入社してくれることになります(笑)
そのような場としてCOMPASSをお借りできたら嬉しいです。
ー(氏家)COMPASSももちろんですが、よりイベント感を出したい時などは定禅寺通を一望できるルーフガーデンもご利用いただけます。ぜひ、自社の一部としてご利用ください。「小さく借りて、大きく使う」を社員の皆様も活用いただけるのは、私たちとしても理想の光景で嬉しく思います。
会社概要
株式会社エニバ
仙台市青葉区国分町1丁目8-13 仙台協立第一ビル2-8,9
https://anyba.jp/